あわやまりあわやまり

詩

2018/01/22

「もうひとつの世界」

駅にある
パン屋の隣の
そのカフェは
突き当たりの壁一面が
鏡になっている
空間を広く見せるため
なのかもしれない

 

そのカフェにいると
鏡の向こうには
もうひとつの
違う世界があって
よいしょ
と入っていけば
向こうの世界に
入れそうな心持ちになる

 

向こうの世界のパン屋で
パンを買い
駅からバスに乗って
家に着くと
そこには
誰が待っているのだろうか

 

 

(c) Mari Awaya
「秋美」vol.28より

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