あわやまりあわやまり

詩

2018/03/31

「桜」

桜の花が咲くのをみたい

うすい桃色の花がきれいに咲いて

ちらちら散ってゆくのも美しい

 

桜の花をこれから何回もみたい

毎年同じように咲いてくれて

私の心をはじけるように明るく

微笑ませてくれる

 

だけれど桜の花をみるのには

夏がきて

秋がきて

冬がきて

それからやっと

春だぁと思うように

いつでも季節を順番にまってから

みられるのがいい

 

それぞれの季節をすごしてから

今年もやっと会えましたねと

思うのがいい

 

 

 

(c) Mari Awaya

2018/03/25

「しお」

部屋に塩を置いてみた
机の上に置いてみた

 

見ているだけで
口の中が
しょっぱくなるみたい

 

わたしもこんな
見えないくらい小さくて白い
しょっぱいものになってみたい

 

それで
あの人の中に入り込んで
ヒリヒリさせてやりたい
わたしはそこで溶けて
最後に
ざまあみろ
って言ってやるの

 

 

(c) Mari Awaya 2018

2018/03/15

「まるちゃんがいる」

まるちゃんがいなかったとき

そのことを表すなら

0だ

まるちゃんがいることは

まるちゃんがいなかったとき

いないことは

0のまま

 

でも

まるちゃんはもういる

当たり前のように

それがもうずっとそうだったみたいに

そこからいなくなったら

マイナス1になる

 

つまりまるちゃんが

いてもいなくても

もうここに存在するから

いる、の1か

いたのにいない、のマイナス1か

もう0にはならない

 

わたしは生きている間ずっと

そばにいてもそうじゃなくても

まるちゃんには1であって欲しい

 

 

(c)Mari Awaya 2018

2018/03/05

「神様の用意したリュック」

それには

言葉がたくさんつまっていて

その人に一生のうち必要な

言葉たちが入っている

 

ふとした時に

人生の重要な局面で

神様は誰かに

その言葉たちを言わせる

 

そのリュックに

もうひとつだけ

入っているものがあって

それは

なのだけど

家族でも

恋人でも

夫や妻でも

自然でも人類でも

愛することが出来る

これはリュックに入っていながら

どんどん出て来る

不思議なもの

 

忘れてはならないのは

自分を愛することも

出来ると言うこと

 

 

 

(c) Mari Awaya 2017

秋美29号より

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