あわやまりあわやまり

詩

2019/03/19

「着陸」

着陸しようとする飛行機
ノイズの混じった
画面に映し出される
滑走路

 

そこに向けて
まっすぐ
降り立とうと
高度を下げていく

 

きっと
わたしが生まれてくるときも
こんな感じに
どこからか
なにかを、目印に
なにか、使命を持って

確かに
この世界に
降り立ったのだと思う

 

 

(c) Mari Awaya 2019

秋美Vol31より

2019/03/03

「かみ」

かみをかいにいく

しをいんさつするために

かみはおもたい

ずっしりと、おもたい

ビニールぶくろもやぶれそうだ

 

それにしをいんさつする

なおしてはまたいんさつする

それがかさなりかさなり

さんじゅうさつめのファイルに

なるころだ

 

これをだれがよむんだろう

これをだれがよんでくれるんだろう

とおもいながらも

わたしはきょうも

かみにしをいんさつして

ファイルにとじる

 

ふかくじつなせかいで

たしかなたいせつなものが

じぶんがしんじているものが

そこにあるんだと

じぶんをあんしんさせるように

だれかにとどくように

いのりながら

 

(c) Mari Awaya 2019

「秋美」vol.31より

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