2019/09/29
「第六公園」
わたしの家に一番近い
第六公園には
ぞうとパンダの遊具があって
子どもの頃よくそれに乗って遊んだ
二頭は公園の入り口に向かって立っている
だから公園の前を通れば
いつも目が合う
わたしが中学生になっても
高校生になっても
雨の日でも雪の日でも
ぞうとパンダは公園にいた
たくさんの子どもたちの友達だった
思い出たちは
ぞうとパンダのように
わたしの中の隅っこで
いつもこちらを見ている
わたしが見ると目があって
あの頃の第六公園が現れる
そこにいたおばあちゃん
まだ若かった父と母
幼かったわたしと姉
砂場で作ったお団子
水飲み場で飲んだ水の冷たさ
こわくてのぼれなかったジャングルジム
ベンチの上の藤の花
つないで帰った手のぬくもり
(c) 2019 あわやまり