あわやまりあわやまり

詩

2017/11/21

「かたまり」

肩にかたまりが、いる
特に右のが、大きい
じっとしていて、動かない

 

かたまりはどこから来るか
色んなところからやって来る
上司の嫌味
同僚の愚痴
家族に嫌気
友人と比較
自分に落胆
未来に不安

 

テケテケテケとやって来て
ぴたっとくっつき
からだの一部になる
そこが自らの家であるように
頑として動かない

 

たたいたり
話しかけたり
するけれど
いっこうに動いてはくれない

 

痛くて重くて
わたしは泣いた
一人っきりの部屋で
わんわん泣いた

 

するとかたまりが
ひどく熱くなってきたので
そっと右の肩に手を当てると
かたまりじゃない何かが
こう伝えてきた

 

ユルメナ
ユルシナ
ナガシナ

 

わたしはその言葉を考えた
かたまりをさすりながら
いつもと違って
慈しみをもって
さすりながら

 

 

 

© Mari Awaya 2015

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