2019/12/08
「少年の明日」
インドのカルカッタの駅で
目だけは深く澄んで
きらきらしている少年が
明日を探している
通り過ぎる
忙しそうに働く人々がくれるのか
旅行に来た
外国の人たちがくれるのか
信じているのか分からない
神か仏がくれるのか
少年の明日は
どこに行ったらあるのか
こんなに貧しさと豊かさの差があって
こんなに自分は何も持ってなくて
こんなにたくさんの人がいる国で
1年に8万人の子供が行方不明になる国で
どうして、と
問うことも出来ないまま
ひたすらに明日を探している
(c) 2018 あわやまり
2018年「秋美vol.30」より