2020/01/28
お話のような
「星のにおいのパジャマ」
初めて行った町で
待ち合わせまでの時間
ぶらぶらしていると
かわいらしい雑貨や洋服のお店をみつける
かわいいワンピース
と思って手に取ると
ピンで止めてある小さな説明書きに
「星のにおいのするパジャマ」
半永久的ににおいは消えません。
夜もぐっすりです。
と書いてあって
あ、これパジャマなんだ
しかも星のにおいってどんなだろ
と思ってかいでみると
あ、そういえば星のにおいってこんなんだ
とかいだことはないはずなのに思いだして
かわいいし
星のにおいだし
ぐっすり眠りたいし
買うことにした
帰って注意書きを読むと
何度洗濯してもにおいは消えませんが
太陽に長時間あてるのは避けてください
とある
あ、お日様のにおい
ついちゃうからかな
と納得し
早速パジャマを着て
ベッドに入る
ぐっすり眠れるかどうかは
是非一度
お試しを
(c) 2009 あわやまり
詩集「忘れる星」より
2019/11/26
お話のような
「忘れてしまった約束」
昔
他の目をたいそう気にする星がいて
私は他の星より輝いているかしら
もっときれいに光れないかしらと
磨き職人をやとって
自分を丸ごと磨かせた
でも自分では
どのくらい輝いているのか分からない
職人のうちのひとりを
いつも見える青い星へと向かわせた
あの星へ行って
私がきれいに光っているか
確かめてきてちょうだい
きれいに光っているのなら
私に向かって
あなたはどの星よりもきれいです
と教えてちょうだい
そうしたらあなたにだけ
とびきりのご褒美をあげます
職人は青い星へ向かった
けれども思いのほか遠かった
星に着いた頃には年をとっていた
そしてこの星に
何をしに来たのかを
忘れてしまった
年をとった職人は青い星で
よく星を見上げた
ことさらきれいに光る星を見ては
何か忘れていることがある気がしたり
その星の瞬きが
何か言っているように見えたりした
とびきりのご褒美がなんだったのか
今でも分からない
(c) 2008 あわやまり
詩集「忘れる星」より