2019/10/05
「火傷」
久しぶりに火傷をした
水ぶくれになった
指先だったから
かなり痛い
何で火傷したかと言うと
炊きたてのご飯だ
あの、罪のなさそうな
つやつやしている
白いご飯
油断していたのだ
私は初心にかえる
見せかけや間違った思い込みで
信じすぎるのは、危険だ
(c) 2019 あわやまり
2019/10/05
久しぶりに火傷をした
水ぶくれになった
指先だったから
かなり痛い
何で火傷したかと言うと
炊きたてのご飯だ
あの、罪のなさそうな
つやつやしている
白いご飯
油断していたのだ
私は初心にかえる
見せかけや間違った思い込みで
信じすぎるのは、危険だ
(c) 2019 あわやまり
2019/03/03
かみをかいにいく
しをいんさつするために
かみはおもたい
ずっしりと、おもたい
ビニールぶくろもやぶれそうだ
それにしをいんさつする
なおしてはまたいんさつする
それがかさなりかさなり
さんじゅうさつめのファイルに
なるころだ
これをだれがよむんだろう
これをだれがよんでくれるんだろう
とおもいながらも
わたしはきょうも
かみにしをいんさつして
ファイルにとじる
ふかくじつなせかいで
たしかなたいせつなものが
じぶんがしんじているものが
そこにあるんだと
じぶんをあんしんさせるように
だれかにとどくように
いのりながら
(c) Mari Awaya 2019
「秋美」vol.31より
2018/07/22
ないってことを いしきすると
ないってことで
あたまがいっぱいになって
ない ない ない
があたまにいっぱい
ありすぎることを きょうふにおもうと
ありすぎるってことが
あたまをせんりょうして
たいへん たいへん ありすぎる
であたまがいっぱい
どのときも
あたまがいっぱいだと
はんたいのことを
想像することができない
ないにおびえているときは
あることを
ありすぎるにふあんなときは
それがへっていくことを
あたまのなかのテーブルの
ちいさなお皿ぶんくらい
想像できれば
テーブルクロスがパッとひかれて
ちがうけしきがみえてくる
(c) Mari Awaya 2018
2018/07/03
今わたしのたましいは
どこらへんにいるのか
わたしの人生は
たましいにしてみれば
ひとつの点だ
宇宙のなかで
その点をつなぎ合わせて
生きたり還ったりする
その線が向かうところを
知らないけれど
もしかしたら
最初の点に
還ったりするのかもしれない
(c) Mari Awaya 2018
*11月に出版予定の詩集からこぼれた一編です。
2018/04/21
左耳から
リーリリリーリリリリー
テテーンテテテテテーン
というような音が聞こえる
かすかな機械音みたいな
あるいはこちらに
信号を送っているような音
幻聴かもしれない
けれどもしかしたらどこかで
私にメッセージを送っている
誰かがいるのかもしれない
この星のどこかに
この宇宙のどこかに
その内容を解読するには
もう少し時間がかかりそうだけれど
眠れぬ夜の子守唄のように
ずっと耳の中で
(c) Mari Awaya 2018
2018/03/25
部屋に塩を置いてみた
机の上に置いてみた
見ているだけで
口の中が
しょっぱくなるみたい
わたしもこんな
見えないくらい小さくて白い
しょっぱいものになってみたい
それで
あの人の中に入り込んで
ヒリヒリさせてやりたい
わたしはそこで溶けて
最後に
ざまあみろ
って言ってやるの
(c) Mari Awaya 2018
2018/03/15
まるちゃんがいなかったとき
そのことを表すなら
0だ
まるちゃんがいることは
1
まるちゃんがいなかったとき
いないことは
0のまま
でも
まるちゃんはもういる
当たり前のように
それがもうずっとそうだったみたいに
そこからいなくなったら
マイナス1になる
つまりまるちゃんが
いてもいなくても
もうここに存在するから
いる、の1か
いたのにいない、のマイナス1か
もう0にはならない
わたしは生きている間ずっと
そばにいてもそうじゃなくても
まるちゃんには1であって欲しい
(c)Mari Awaya 2018
2018/03/05
それには
言葉がたくさんつまっていて
その人に一生のうち必要な
言葉たちが入っている
ふとした時に
人生の重要な局面で
神様は誰かに
その言葉たちを言わせる
そのリュックに
もうひとつだけ
入っているものがあって
それは
愛
なのだけど
家族でも
恋人でも
夫や妻でも
自然でも人類でも
愛することが出来る
これはリュックに入っていながら
どんどん出て来る
不思議なもの
忘れてはならないのは
自分を愛することも
出来ると言うこと
(c) Mari Awaya 2017
秋美29号より
2018/02/16
なにもかも
上手く行くってことは
本当はないのかもしれない
ほとんど上手く行っているように見えて
大きいか小さいか
わからないけれど
上手く行かないことが
隠れている
だからもしかしたら
なにもかも
どうにもならないってことも
本当はないのかもしれない
本当にもうどうにもならないように見えて
小さな
希望や救いが
そこには混在している
その存在に気がつければ
なにもかも
ではなくなり
それはいい方向へ導いてくれる
強く光る星となる
(c) Mari Awaya 2016
2018/01/22
駅にある
パン屋の隣の
そのカフェは
突き当たりの壁一面が
鏡になっている
空間を広く見せるため
なのかもしれない
そのカフェにいると
鏡の向こうには
もうひとつの
違う世界があって
よいしょ
と入っていけば
向こうの世界に
入れそうな心持ちになる
向こうの世界のパン屋で
パンを買い
駅からバスに乗って
家に着くと
そこには
誰が待っているのだろうか
(c) Mari Awaya
「秋美」vol.28より