あわやまりあわやまり

詩

2020/12/15

「カクさんと空っぽの部屋」

カクさんは
自分の中の一つの部屋が
空っぽなのだと言っていた
 
空っぽだから音はしないけど
本当に空っぽなのよ
と言う
 
カクさんが何故
空っぽの部屋に気がついたか
聞いたことがあった
 
こんぺいとうかな
 
こんぺいとう、ですか?
 
そう
愛、みたいので出来ている
砂糖のかたまり
それがその部屋に
うっかり一瞬だけ入ったとき
カラカラカラ
って音がしてね
ああ、そこには何もないんだ
って気がついたの
 
じゃあ私も知らないだけで
空っぽの部屋いっぱいありそう
と私が言うと
 
彼女はやんわり微笑んで
 
でも別に
不幸だとは思わないんだ
無いものが多いからって
不幸だとは限らないじゃない
他の部屋には
豊かにあるものもあるしね
 
彼女の笑顔は素敵だ
といつも思う
 
でも
と続けて彼女は言った
 
もしもう一度
生きることができるなら
その時はその部屋だけでいいから
そこが豊かで色とりどりな人生を
歩んでみたいかも
 

 

(c) 2020 あわやまり

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