2017/11/15
「幾何」
雨が降って
傘についてきた
雨粒たちを
部屋で乾かす
乾燥している部屋で
それはすぐに気化する
傘は幾何学模様
重なる色たち
眺めていると
どこを見ているのか
分からなくなって
頭がぼうっとする
どれほど
どれくらい
ここにこうしていたのか
どれほど
どれくらい
この世界にいるのかも
分からなくなって
© Mari Awaya 2015
*幾何…いくばく、とも読みます。
2017/11/15
雨が降って
傘についてきた
雨粒たちを
部屋で乾かす
乾燥している部屋で
それはすぐに気化する
傘は幾何学模様
重なる色たち
眺めていると
どこを見ているのか
分からなくなって
頭がぼうっとする
どれほど
どれくらい
ここにこうしていたのか
どれほど
どれくらい
この世界にいるのかも
分からなくなって
© Mari Awaya 2015
*幾何…いくばく、とも読みます。
2017/11/15
まだなんにもできていない
きっともう、いつかなのに
まだたどりつけていない
© Mari Awaya 2015
2017/11/15
このことで怒っているのに
全く気がつかないで
自分のことばかりしているひとに
© Mari Awaya 2014
2017/11/15
そんなことで怒るのは
無意味だし、時間の無駄だし
おかしいよ、と言う人に
© Mari Awaya 2014
2017/11/15
ここにいることに
そしてこうでありたいと描く
私に、なれるかな
© Mari Awaya 2014
2017/11/15
この世界の住人になれた
そして十年もしないで
慣れてしまった
© Mari Awaya 2014
2017/11/15
急に降り出した弱い雨が
電車の窓に
詩を書いている
© Mari Awaya 2014
2017/11/09
もし
とだけ
机に書いてある
続きを考える
もし、ここにいなかったら
もし、今日が十年前だったら
もし、私が私じゃなかったら
もし、ここが地球じゃなかったら
もし、生まれ変われるのなら
もし、聞いてくる
あなたはだれですか?
© Mari Awaya 2014
2017/11/09
寒いのは
単純に
今日の気温が
低いせいだ
涙が出るのは
明確に
あなたが
やさしいからだ
ただ単純な
やさしさ
それ以上
私が望むものを
含まない
やさしさ
© Mari Awaya
詩集「あなたに好き、と言う以外は」より
2017/11/09
幾度
らくたんすれば
わたしは
らくたんしなくて
すむだろう
らくたんするのは
期待しているからだ
心というものは
知らないうちに
かすかな期待あるいは希望を
持ってしまう
パラパラ パラパラ
らくたんが落ちていく
バラバラ バラバラ
粉々になって
ヒラヒラ ヒラヒラ
そのうちに軽くなって
らっかんしてみられるように
なるかもしれない
© Mari Awaya
「みんなの詩集 夢ぽけっと2014秋号」より