あわやまりあわやまり

詩

2019/11/26

「忘れてしまった約束」

ほかの目をたいそう気にする星がいて

私はほかの星より輝いているかしら

もっときれいに光れないかしらと

磨き職人をやとって

自分を丸ごと磨かせた

 

でも自分では

どのくらい磨きがかかったか

どのくらい輝いているのか分らなくて

職人のうちの一人を

いつも見える青い星へと向かわせた

 

あそこの星へ行って

私がきれいに光っているか

確かめてきてちょうだい

きれいに光っているのなら

私に向かって

あなたはどの星よりもきれいです

と教えてちょうだい

そうしたらあなたにだけ

とびきりのご褒美をあげます

 

職人は青い星へ向かった

けれども思いのほか遠かった

星へ着いた頃には年をとっていた

そしてこの星に

何をしに来たのかを

忘れてしまった

 

年をとった職人は青い星で

よく星を見上げた

ことさらきれいに光る星を見ては

何か忘れていることがある気がしたり

その星の光が

何か言っているように見えたりした

 

とびきりのご褒美がなんだったのか

今でも、分らない

 

 

(c) あわやまり

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