あわやまりあわやまり

詩

2017/11/03

「ぼっち」

わたしもう
ひとりぼっちだ
これからもきっと
ひとりぼっちだ

 

ひとばん、ふたばん
ひとりぼっちで
ふとんかぶって寝ていたら
みっかめの昼に
ちょっとちょっと
とふとんをひっぱるやつがいる
見てみるとちいさな
ほわほわしたいきもの

 

ぼくはぼっちです
ひとりになった人についてきます
だから、まあ
ひとりの人も
ほんとうのひとりではないんです
ぼく、幸か不幸か
人に好かれてしまうんで
だからひとりの人はずっと
ひとりではいられないんです
まあ、信じられなくてもみていてください
そのうちわかります
ひとりの人にはぼくがついてます

 

と言ってわたしの耳から
ぼぉっと入ってきた
おかしなゆめと思って
またふとんかぶったけど
ほんとうだったらいいな
ほんとうにずっとは
ひとりぼっちじゃない気がするな
そう思えてきて
こころすこし明るくなった

 

 

(c) Mari Awaya 2009
「ぼくはぼっちです」あわやまり(たんぽぽ出版)に収録

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