2020/04/18
「おじさんと肉まん」
夢のなかで
わたしのご先祖にあたるおじさんが
おじさん
中華街で歩きながら
肉まんをみっつも
食べたんだよお
と言って
がははと笑った
いいなあ
わたしも食べたいなあ
つられて
がははと笑う
夢のなかはときどき
とても自由で平和で
楽しげだ
(c) 2017 あわやまり
2020/04/18
夢のなかで
わたしのご先祖にあたるおじさんが
おじさん
中華街で歩きながら
肉まんをみっつも
食べたんだよお
と言って
がははと笑った
いいなあ
わたしも食べたいなあ
つられて
がははと笑う
夢のなかはときどき
とても自由で平和で
楽しげだ
(c) 2017 あわやまり
2020/04/16
後ろでベリっと言ったので
何かと思って立ち止まった
どうやら私の後ろではなく
背中
らしいので
見えない
おそらく
何かが剥がれたらしかった
でも
下を見ても何も落ちていないし
手で触っても何もない
ああ
なにもない
が剥がれたのかもしれない
なにもない
と自分を思い込んでいたことが
(c) 2020 あわやまり
2020/04/05
青々とした葉っぱたちが奏でる
私には聞こえない音で
でも、こんなにも輝いて
(c) 2014 あわやまり
2020/04/01
あなたの心の奥に
澄んで綺麗な湖があること
あなたはちゃんと
知っている?
その湖を
守るのもあなた
愛するのもあなた
あなたにしか出来ない
そうしていれば湖には
たくさんの動物が集まり
豊かな森になっていく
(c) 2017 あわやまり
*桜の花言葉「精神の美」「優美な女性」より書いた
2017年「詩と絵のカレンダー」より
2020/03/30
どこまでがぼーっとで
どこからがぼんやりなんだろう
それはその前の息切れを
落ち着かせるためかもしれないし
その後にすることの
助走かもしれない
とにかくその
ぼーっとか
ぼんやりに
かなりの時間を費やしている
気がついたら
時が盗まれたのかと思うほど
時間は経っている
しかし
その時間がなければ
サクサク仕事を進められたし
やるべきことも全てこなせたのに
とは
思わない
その時間は
たぶん今のわたしにとって
必要な時間だ
(c) 2020 あわやまり
2020/03/24
新年明けたばかりの電車に乗る
規則正しくぶら下がるつり革は
そろってゆれる
電車がゆれるたび
同じにゆれる
その様を眺めていると
その中で何故か頑なに
ゆれていないつり革を見つけた
よく見ると
そのつり革は
口をへの字にして
何か言っている
ゆれるから
ゆらされるのは
ごめんだ
ぼくはぼくのみちをいく
ほかがよくみえても
ときに
こどくがつらくても
ここにいたって
みちはえらべる
誰も気がつかなくても
強く頑なに
ゆられない
孤高のつり革
(c) 2020 あわやまり
「秋美vol.32より」
2020/03/18
わたしの部屋の窓の方から
ちいさな声で
できる
できない
できる
できない
と聞こえる
近づいてよく見ると
カーテンの花柄の
赤い花の花びらが
声に合わせて
ひらりひらりと落ちていく
どうやら花自身で
花占いしているみたいだ
何ができるの?できないの?
と聞くと
声と花びらはぴたっと止まった
もしかしたら他の花も
何を占っているのか知らないけれど
(わたしの恋とか仕事のことかも)
花占いをしているのかも
最近カーテンの花の色が
薄くなった感じがしていたのは
そのせいかな
(c) 2012 あわやまり
2020/03/16
今このバス停で
バスを待っているたくさんの人が
バスがやってくる方向を
一様に向いて
今か今かと
待っているように
どこかわからないけれど
どこかのバス停で
どのくらいの人か
どんな人か
わからないけれど
あなたがやってくるのを
待っている
あなたの方を
ずっと向いて
待ちこがれるように
(c) 2020 あわやまり
2020/03/14
電車で迷子の「こわがり」をみつける
困っているので
毛の色が濃い灰色になっている
私の前を行ったり来たり
降りようかどうしようか
うろうろしていて
かわいそうに思う
けれども私はすでに
「こわがり」を一匹連れているので
連れていく訳にもいかず
降りる駅で
なるべく迷子のこを見ないようにして
ぱっと降りた
私の「こわがり」がはぐれないように
かばんにつっこんで
(c) 2009 あわやまり
2020/03/07
まだまだ先のことかと思っていた
それは光って
忽然と現れたかのように思えた
こんなところに
まさか
いつも見ていたはずなのに
しかも二本も
それはけれどやはり
綺麗に輝いている
切って手にとると
不思議だ
見えなくなったかのように思える
透明のようで
黒々とした髪の毛に中にあると
すざまじい存在感を放つ
わたしの白髪
(c) 2016 あわやまり